2020年7月の運用成績と「破壊的イノベーション」について
こんにちは、こーたです。
8月も折り返しましたね。
これは完全なる言い訳ですが、夏は暑さで行動力が激減するので更新も滞ってました。
今回は7月の運用成績(今更)とGAFAMについて見ていきます
7月は米国企業の決算(成績の中間発表)時期なのもあり、それが株価にどう影響しているのかも見ていきましょう。
進め方は
です。
では、いきましょう。
運用成績
まずは今月の成績から見ていきます。
資産合計:569,856円
評価損益:41,729円
なので運用益は7.9%ですね
569,856/(569,856-41,729)≒1.079
ちなみに、4月から現在までの運用成績の推移は
こんな感じになっています。
点で見るよりも線で捉えると何か傾向が見えてきそうですね。
この「線で捉える」については1年経ってからまとめようと思います。
さて、全体の運用益が分かったところで1つずつ見ていきましょう。
わかる範囲で変動した理由も考察してみます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
3月中旬の一番底から上昇を続けていますが少しずつ緩やかになってきましたね。
というのも6月にコロナ第2波への懸念で大きく下がってから慎重になっている印象があります。
他にも
- 失業者の増加
- 大統領選
- 米中対立
などいろいろと判断材料はありますが情報は集めながらも「つみたてNISA」なのでコツコツ積み立てていきましょう。
①☆7月23日の米国株式市場は反落、NYダウ1.31%安、ナスダック2.29%安、S&P500 1.23%安 | 日本証券新聞
ETF
では次に各ETFの成績を見ていきましょう。
やっぱQQQ強いですね。
7月は米国企業の中間決算(成績発表)の時期で、軒並み大幅な赤字でしたがGAFAMはどうだったか見ていきましょう。
- Google:売上高は前年度の同期と比べて2%減で株価は決算日から約3%下落しました(しゃーない)
- Apple:〃11%増で株価は決算日から約10%上昇しました(最強かよ)
Apple決算は“巣ごもり需要”で2桁台の増収増益だが「次期iPhoneは昨年より数週間遅れる」 - ITmedia NEWS
- Facebook:〃17%増で決算日から約8%上昇しました(強すぎ)
- Amazon:〃26%増で株価は決算日から約4%弱上昇しました(強い)
Amazon決算は2桁台の増収減益 「次四半期の40億ドルの営業利益はすべて新型コロナ対策に費やす」とベゾスCEO - ITmedia NEWS
- Microsoft:〃13%増で株価は決算日から約2%下落(なんで)
Microsoft決算は増収減益 “巣ごもり需要”でXbox売上高が64%増、Surfaceも好調 - ITmedia NEWS
Microsoftは売り上げ増加にも関わらず株価が下落していますね。
その要因は
「将来性の高い事業(Azure)の成長の鈍化」
が挙げられます。
期待のエースがコロナ禍で不調ってことですね。
ぜひ頑張ってほしいです(他人事)
とはいえアメリカ全体が不調な中
「GAFAMとの差が一気に開いたな...」
と思わせられる1カ月でした。
また、先月から保有しているGoldman Sachs ETFもこの1ヶ月で変化があったので見ていきます。
ちなみに、この「GMAN」とか「GDNA」「GFIN」といった、よーわからん文字列は
といいます。
ティッカーシンボル=略称
くらいに覚えれば今後ティッカーシンボルを見るだけでどんな銘柄かイメージが出来るようになります。
GAFAMでいえば
みたいな感じですね。
また、実際に今保有しているGoldman Sachs ETFをひとつずつ紐解いてみます。
①GMAN
製造業は英訳でManufacturingですね。
紹介文にもありますが
「Goldman Sachs 製造(Manufacturing)イノベーションETF」
を略して「GMAN」と表しています。
②GDNA
「GS(=Goldman Sachs)ヘルスケアイノベーションETF」
ヘルスケアの中でも特に遺伝子解析技術の進歩が目立っているため「DNA」を使ったと思われます(雑な解説でごめんなさい)
③GFIN
です。FINはフィンテック(FinTech)の略語を意味してますね。
...FinTech?
となりますがこれは
金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で金融サービスと情報技術を結び付けた様々な革新的な動きを指しています。
このフィンテックという言葉は投資に興味があるなし関わらず、一般常識として押さえておくべきワードだと思います。
この1ヶ月での成績はQQQ(緑)よりもGMAN(オレンジ)が上回っています。
なんなら月末まではGMAN,GDNA,GFINすべてがQQQを上回っていました。
今後世界を変えるであろうイノベーション
とあるだけに期待値は高いです。
まずは2~3年くらいは保有してみて経過観察をしてみます。
とはいえ、月末の決算でGAFAMが株価を伸ばしたのでQQQが逆転しましたね。
前回記事でも書いていますが、QQQはGAFAMの構成比率が約46%と大きなウェイトを占めています。
なのでwithコロナ・afterコロナにおいてもうしばらくは堅調に株価を伸ばしていくのかな?というのが率直な感想です。
またITやIoTと密接にかかわるGMANの伸び率が目立ちますね。
今後どうなるか期待しています。
「さっきから"G~"とか言ってるけど、それ何!?」
って方はこちらの記事で紹介しているので見てみてください。
この記事では
「今後世界を変えるであろう5つのイノベーション」
について触れています。
それってどんなイノベーションでしょうか。
次の章で見ていきましょう。
「破壊的イノベーション」とは
いきなりこの言葉を聞いてピンとくる人は「そうとう勘がいいor経営学を学んでいた」の二択です。
「破壊的イノベーション...?」
と感じる方も多いと思いますが、これと対比で表現される言葉と並べてみます。
「持続的イノベーション」
「破壊的イノベーション」
これならピンとくる方もいるかもしれませんがもう少し解説します。
持続的イノベーション
イノベーション(技術革新)には2種類あると言われています。
持続的イノベーションはそのうちの一つで
性能の向上を持続する技術革新
とも言い換えられます。もっと噛み砕くと
ユーザーが持っているニーズを満たす技術革新
という意味です。
「もっとこうしてほしいな~」
「あーなれば便利なのに」
というユーザーのニーズに応えるための技術革新というわけですね。
パッと思いつく例だと
- 大画面・高画質・薄型4Kテレビ
- 低燃費エコカー
- 高音質スピーカー
とかですかね。探せばもっとあるはずです。
この持続的イノベーションには顧客満足度を高める効果は期待できますが、ある一定のところで頭打ちします。
先ほど挙げたテレビの例も、これ以上大画面・高画質・薄型になっても一般の人は前のモデルとそこまで差を感じれなくなってきているのが現状です。
イメージとして
「もうお腹一杯なのに無限におかわりを聞いてくるおばあちゃん」
状態ですね。
この状態になると、需要(自分の胃袋)と供給(おばあちゃんのごはん)のバランスが逆転し、売れなく(=ごはんが減らなく)なります。どんなにいい製品(おいしいご飯)だとしても。
「こんなにおいしい料理を作っているのに、なんで食べてくれないの...!?」
こうなるとおばあちゃんはどうしようもできなくなってしまいますね(こんな短絡的な考えをするおばあちゃんはいないと思いますが)
この現象は企業と消費者間でも起こります。
身の回りの製品やサービスで考えてみるといくつか思い当たるかもしれませんね。
では、次にいきます。
破壊的イノベーション
2種類あるイノベーションのもう一つがこれになります。
破壊的イノベーションは
従来とは全く異なる価値を生み出す技術革新
とも言われています。
そして破壊的イノベーションは
「少なくとも短期的に製品の性能を引き下げる効果を持つイノベーション」
になります。
また、破壊的イノベーションはさらに二つに分類できます。
- 今までにない全く新しい製品やサービスを生み出す技術革新(新市場型)
- 既存の製品の内、ある一点に焦点を当てその質を特化して高める技術革新(ローエンド型)
身近な例をあげてみましょう。
新市場型
携帯電話→カメラ付き携帯電話→iPhone
当時カメラは画質が重視されていましたが、カメラ付き携帯が登場したことでユーザーは
カメラに高画質ではなく多機能を求めるようになりました。
もちろん、初期のカメラ付き携帯の画質は悪いので短期的に製品(カメラ)の性能を下げています。
短期的に「画質」という性能を下げましたが、新たに「多機能」という価値を生み出したのが新市場型の典型的な例です。
これは言わずもがなイメージできると思うので省略します。
(iPhoneも販売当時はタッチパネルの操作が不評だったみたいなので、一時的に携帯電話の性能を下げていますね)
ローエンド型
近年のローエンド型イノベーションの代表例は
LCC(Low-cost carrier):格安航空会社
ですね。
LCCの発祥はイギリスで、それまでは大手航空会社が結んでいる協定で価格を取り決めていましたが、その協定に参加していなかった航空会社が従来の1/3の価格で航空券を販売したことが始まりと言われています。
日本ではバニラ・エアーやAirDo、スカイマークなどがありますね。
それまでは機内サービスや安全性にフォーカスをした競争がされてましたが、LCCの登場により低価格競争が生まれました。
これにより、若年層、バックパッカー、家族連れ、会社の出張など幅広く利用されるようになりました。
もちろん、LCCではキャンセルの際のキャッシュバックがなかったり、荷物預かりに条件が付いていたりとデメリットはあるので当初はクレームも多かったみたいです(しっかり調べてから予約しろって話ですが)
まとめると
破壊的イノベーションとは
「新市場型」と「ローエンド型」があり、どちらも一時的に製品の性能を下げる効果があるが、市場(ユーザー)に新たな価値を提供するイノベーション
ということですね。
持続的イノベーションでは「満腹なのにおかわりを永遠と聞いてくる世話焼きなおばあちゃん」を例に出しましたが、破壊的イノベーションでは
新市場型:色々なところに連れ出してくれるアクティブばあちゃん
ローエンド型:毎回絶妙なタイミングでお菓子を出してくれる気配り上手なばあちゃん
ってイメージですかね?
アクティブばあちゃんに連れ出されるとゲームをする時間が減るので一時的に不満が溜まりますが、外に出ることで新たな遊びを見つけたりと「世界が少し広がる」というメリットがあるかもしれませんね。
また、気配り上手なおばあちゃんは自分たちにとって「痒い所に手が届く」とてもありがたい存在になります。
ここからは投資とは少し離れた経営の分野になりますが、この
- アクティブばあちゃん
- 気の利くばあちゃん
へのありがたさ(ニーズ)は「世話好きばあちゃん」を超える可能性を秘めています。
世話好きばあちゃんはどんなに孫のために何かをしてあげても、アクティブばあちゃんと気の利くばあちゃんに負けてしまします。
これを
といいます。
この言葉を文章に直すと
「既存ユーザーのニーズを満たすために持続的イノベーションを行ってきた大企業が、破壊的イノベーションを起こした中小企業に市場(ユーザー)を奪われ、競争に負けてしまうというジレンマ」
です。
このイノベーションのジレンマで競争に負けた企業の数は多くあります。
代表的な例だと、当時はまだ規模の小さかったAppleにパソコンのシェアを奪われたIBMがまさにこれに当たります。
そして現在そのイノベーションのジレンマに陥いりかけている(もう既に陥っている?)企業があのトヨタです。
テスラやGoogleをはじめとするIT企業の参入によって電気自動車、自動運転の開発が加速しています。
"自動車"の概念が大きく変わろうとしている中で、トヨタがどう乗り切るかが見所ですね。
「車をつくる会社から、モビリティサービス(移動するためのサービス全般を提供する)の会社になる」
と豊田社長は謳っていますが、どうなるのでしょうか。
今後の動向に注目していきましょう。
さいごに
投稿も遅くなり、文も長くなりの今回でしたが最後まで読んでくださりありがとうございました。
自分の投資方針としては「破壊的イノベーション」を起こすであろう将来性が高い企業へ投資をする、というものなので現在はQQQとGoldman Sachs ETFのGMAN、GFIN、GDNAを保有しています。
今後新たに面白そうな企業が現れれば国内外・企業規模問わず投資をしていきたいな~と思っているので、面白そうな企業が見つかった時は紹介しようと思います。
それと、今回の「破壊的イノベーション」についてはこの書籍を参考にしています。
経営学を学んだことのある方以外は少しとっつきにくいかもしれませんが、気になる方は読んでみてください。
少し難しいですが面白いですよ。
イノベーションのジレンマ 増補改訂版 Harvard business school press
- 作者:Clayton M. Christensen
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
個人的には
「 学生時代にこれを読めてよかったな」
と振り返ってみて感じます。
では、また次回の記事で。