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投資や副業について書くのんびり不定期ブログ

今まで見ていた時間軸を変えてお金の価値を知ろう

こんにちは、こーたです。

 

今回はいつもより本格的な金融の勉強に近い内容で、お金の価値の求め方について説明します。ちょっと難しいかもしれないですが、この記事で僕のことは嫌いになっても投資の事は嫌いにならないでください(古いか)

 

きっと今回の内容が分かれば「何にお金を使うべきか」という考え方に深みが増すと思うのでぜひ読んでいってくれるとうれしいです。

 

では、いきましょう。

 

早速ですが質問です。

「今1億円を受け取るか、40年後に1億円を受け取るかを選べます。どっちがいいですか?」

間違いなく今受け取りたいですよね。感覚的に選んでもほぼ全員同じ意見だと思います。

 

では、2問目です。

金利10%で今50万円を受け取るか、来年に60万円を受け取るか選べます。どっちがいいですか?」

少し考えちゃいますよね。これの答えが出せた方は恐らく

 

今50万円受け取って10%で運用すれば来年には55万円だ!てことは今の50万円の価値は来年に受けとる60万円の価値より低い!だから来年に60万円もらったほうがおトクだ!

 

という考え方になったと思います。これは日常生活を送る中ではごく一般的な考えですよね。

”今視点で未来を見る”

=時間軸が現在でそこから将来の価値を見る

 

ところが投資・ビジネス(株式、不動産、設備投資、企業買収etc)におけるお金の見方は真逆で

”未来視点で今を見る”

=時間軸が将来でそこから現在の価値を見る

が一般的になります。

 

「は、何言ってんの?」

 

となりますよね。では、さっきの問題の図解を基にこの概念を理解していきましょう。これはビジネスにおいても非常に大切な考え方になります。設備投資や事業投資の場合、大量のお金が手元から離れていくので、将来だけを見て楽観的に投資をするだけでは難しいです。なので意思決定の際はより現在にフォーカスした見方をし、投資をするにふさわしいか判断しよう、というのが現在価値の概念です。ぜひ覚えていってください!

 

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さっきの問題では僕含め全員が最初に55万円を計算で求めたと思います。この55万円の事を専門用語で将来価値といいます。

 

時間軸が現在でそこから将来の価値を見るので将来価値と覚えれば簡単ですね。

 

では逆に来年の60万円の価値を今の価値に直したら??

 

この考え方で求めたものを現在価値(=時間軸が将来でそこから現在の価値を見る)といいます。将来価値では今の50万円に金利10%をかけたので、現在価値の場合は来年の60万円を金利10%で割ります。すると54.5万円とでましたね。

(この金利で割ることから現在価値を求める時は「金利」を言い換えて「割引率と表現します⇒今回でいうと割引率は10%)

 

これが意味するのは

「来年の60万円は今でいう54.5万円と同じ価値」

すなわち

1年後の60万円の現在価値は54.5万円

ということです。現在価値で計算すると50万円<54.5万円になり、50万よりも価値が高いことがわかるので来年に60万円もらったほうがおトクということが分かります。

 

さて、現在価値の概念と求め方は理解できましたね。これでひとまず投資脳を作ることが来ました。では、次の問題に取り組みましょう。より実践的になります。

 

「あなたは2300万円の資本を持っています。あなたはA社が持つ”3年間で1000万円/年の利益を出すビジネス”に投資をしようと考えています。しかしA社からは2500万円で投資をしてほしいと言われています。この投資額は妥当ですか。また投資金額を2300万円まで下げた場合、あなたの利益は何万円になりますか?(金利は10%)」

 

これを見てパッと答えが思い浮かぶ人は秀才です。ただ、先ほど現在価値については理解できたので簡単に求めることが出来ます。一緒に考えていきましょう。

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基本的な求め方は同じで1年目、2年目、3年目のそれぞれの現在価値を求めます。ただ、2年目以降は割引率が掛け合わさるので1.1^2、1.1^3…と続きます。図のオレンジ枠の中の計算式を参考にしてください。

(「^」は累乗を意味する記号です)

 

確認として1~3年目の現在価値が出たら答え合わせをしてみましょう。

1年目の1000万円の現在価値=909万円なので

909万円を年利10%で運用したら1000万円に戻るはずですよね。計算してみましょう。

909万円×1.1=999.9万円≒1000万円になりました。

2年目も同じく

826万円×1.1^2(2年間運用するから)=999.46万円≒1000万円

3年目も

751万円×1.1^3(3年間運用するから)=999.581万円≒1000万円

ちゃんと合ってましたね。この^(=累乗)は投資の「複利効果」を意味しています。複利って何?って人はこの記事を参考にしてみてください。

 「1-2にある長期」の項目で触れています

tyatyakouta.hatenablog.com

 

 

この計算で1年目~3年目までのそれぞれの現在価値の合計は2486万円とでましたね。つまり

2486万円で投資をすれば±0、それ以上の投資額では損失になり、それ以下の投資額では利益が出る

ということが分かります。なので、この質問にあるように2500万円で投資をしてほしいと言われていますがこれでは損をしてしまうので問題の答えとしては

「2500万円という投資額は妥当ではない。そして2300万円で投資をした場合の利益は186万円」

とわかりますね。なので「値切り交渉をしていこうorスルー案件」と考えます。これがビジネスにおける意思決定の手順です。

 

そしてちゃっかり186万円の利益が出る、と書きましたがこの186万円の事を正味現在価値と言います。

 

正味現在価値は、投資によってどれだけの利益が出るかを表す指標で「この投資プロジェクトは利益生んでくれるの?」「A社とB社どっちに投資したほうがいいかな?」という意思決定の際によく使われる指標になります。

 

正味現在価値=現在価値ー投資額

 

で求められるので、今回でいえば

2486万円ー2500万円=-14万円⇐投資はすべきではない

2486万円ー2300万円=186万円⇐投資してOK

と求められますね。正味現在価値は大きければ大きいほどいいとされています。現在価値とセットで覚えておくといいですね。

 

ふー、難しいですね。しかしこれからは個の時代といわれているので、自分でビジネスの上流から下流までの知識を持っておいて損はないと思うので覚えておくといいかもしれませんね。また仕事以外にも大きな買い物(家、車etc)をする際にこの考えは活きてくると思います。

 

今回はここまでにします。次回の記事ではこの現在価値の概念を基に「株式投資における投資判断の下し方」についてみていきます。実際に企業の財務諸表のどの数字を使って求めるのか、について書くのでまた少しレベルアップした内容にはなりますが、より投資の本質に近づいていきますので、興味のある方は見ていってくれるとうれしいです。

 

では、また次の記事で。